『スタイルズ荘の怪事件』処女作がすでに傑作! ※ネタバレあり

※アガサ・クリスティ『スタイルズ荘の怪事件』をネタバレで紹介しますので、展開を知りたくないという方は読まないようにご注意ください※

アガサ・クリスティのおすすめ作品、まずはやはり『スタイルズ荘の怪事件』です。

スタイルズ荘

『スタイルズ荘の怪事件』はなんとアガサ・クリスティの処女作です。

最初に書いたミステリー小説だからまだ稚拙な内容かと思われそうですが、そんなことはありません。

アガサ・クリスティはもうこの頃からミステリーの天才だったようでかなり完成度が高く面白い作品です。

スタイルズ荘の女主人でお金持ちのエミリー・イングルソープはかなりの高齢にもかかわらず最近になって20歳も年下の男性のアルフレッドと再婚します。

お金持ちの女主人とまだ若い夫となれば、それを面白くない、と思うのはエミリーの子供達です。

それも本当の子供ではなく亡くなった夫の息子達。

元々エミリーの財産は亡くなった夫の財産、エミリーが亡くなった場合、普通であれば息子達が相続するべきものが、この若い夫に奪い取られることになるのです。
そんなある日、エミリーが毒殺されます、犯人は誰もが20歳年下の夫だといいます。

それに対してポアロは彼は犯人ではない、と言ってアルフレッドの無実を証明します。

この時点で読者はアガサ・クリスティにだまされるのです。

犯人は他にいると。

次に疑われるとしたらエミリーの義理の息子のジョンでした。

彼は弁護士になるもろくに働かずにエミリーから毎月渡されるお金をやりくりしながら妻とくらしている頼りない息子です。

ジョンに不利な出来事がいくつも出てくることでもう犯人はジョンかな、と思わせるのがアガサ・クリスティのすごさです。

一度無実を証明されたからアルフレッドは犯人ではない、と誰もが思うはずです。

ですが、捕まった罪に関しては無実でも真犯人ではないとは限らないのですアガサ・クリスティーのミステリーでは。

アルフレッドは別の方法でエミリーを殺していました。

そしてエミリーには秘書のようなエヴィという女性がいつも側についていました。

エヴィはアルフレッドの親戚でありながら仲が悪く、いつも彼の悪口を言ってるのです。

エミリーに彼を遠ざけるよう忠告して反対にエミリーからスタイルズ荘から出て行くよう言われてしまいます。

ここでエヴィは常識のある女性だから犯人ではないと思われますが、しかしこれもアガサ・クリスティの罠でした。

仲が悪い親戚同士の二人は実はグルでした。

仲が悪ければエミリーを殺す共犯にはならないだろうと周りをごまかしていたのです。

これも実にクリスティは巧妙に描いていました。

金持ちの女性が年下の夫を持ち、義理の息子達がいて、側には優秀な女秘書がいて、殺されてしまった。

これだけでも興味がわくのに、何度もどんでん返しがある『スタイルズ荘の怪事件』。

処女作にしてすでに脱帽するほど面白かったです。

これからアガサ・クリスティを読もうとしていらっしゃる方には、処女作の『スタイルズ荘の怪事件』から読まれることをおすすめします。