『マダム・ジゼル殺人事件』地味な手口に驚かされる ※ネタバレあり

※アガサ・クリスティ『マダム・ジゼル殺人事件』をネタバレで紹介しますので、展開を知りたくないという方は読まないようにご注意ください※

『マダム・ジゼル殺人事件』は、アガサ・クリスティ作品では珍しく飛行機の中が殺人の舞台です。

マダム・ビル

内容はといえば、マダム・ジゼルという金貸しの女性が飛行機が飛んでいる最中に殺されます。

死因は毒殺。

しかし、マダム・ジゼルに毒をもれるような人間はおらず、怪しいものの発見とは飛んでいた蜂と吹矢の道具。

このどちらかでマダム・ジゼルは殺されたのか?

そしてマダム・ジゼルを殺した動機は何なのか?

蜂と吹矢とはどちらも突拍子も無い殺し方で驚きましたが、結局どちらでもなかったのです。

何故そんなフェイクをしたかというと、マダム・ジゼルを殺せたのは側にいた人間だけでなく、離れていた人間でも彼女を殺せたという考えを植えつけるためでした。

マダム・ジゼルを殺した方法は、彼女の席の横を通過するときにクビに毒針を刺した、そんな簡単な方法でした。

客席の横を通過して怪しまれない立場の人間はというとスチュワードでした。(男性の客室乗務員のことでした)

では、犯人はスチュワードかというとそうではありません、犯人は歯科医だったのです。

スチュワードの衣装は医師の白衣に似ていて変装しても誰にもばれないで済みます。

犯人の歯科医の目的はマダムジゼルの遺産でした。

歯科医自体は遺産相続人ではないものの、マダム・ジゼルには娘がいて、その娘と結婚して遺産を手に入れる計画だったのです。

そして娘も後に殺す計画でした。

しかし、飛行機の中で魅力的な女性に恋をしてしまいことを急がせたのが一番の敗因でした。

物語の最初で歯科医と恋する女性とが意識しあう場面があって、まさか飛行機の中でときめきを感じている男女の男のほうが殺人事件の容疑者だとは。

まさかこんな人が犯人ではないよね、と思わせるのがアガサクリスティの上手いところです。

『マダム・ジゼル殺人事件』はアガサ・クリスティ作品の中では特に有名な作品ではありません。

しかし、アガサ・クリスティの作品ははずれが無い。

インターネットで検索してもヒット数が少ないこんな作品でも、他で読むつまらない探偵小説よりははるかに面白いのがアガサ・クリスティ作品の醍醐味なのでしょう。